他人の不幸、「天才デフレ」の時代

小飼 ネットっていうのは優れた道具だけど、優れた道具には必ず両側に刃がついている。そういう意味では怖い時代です。

 筒井康隆の短編で『アフリカの爆弾』という話があったじゃないですか。あれと同じで、みんな原爆を持っているんです。お互い不幸になるために、それを使いますかと言いたい。

不幸な人は使うと思うけどな。もう十分に不幸で他に幸せになる手段を知らないので原爆を使って満足感を得る。実際使ってるからこそ犯罪がなくならない。小飼弾の意見は正論だけどきれいごと。聞く人によっては「幸せな自分を守りたいだけじゃないの?」と捉えられてしまう。
不幸な人が必要としているのは成功への具体的なチャンスや知識。下手な啓蒙どまりのアドバイスだけならしないほうがいい。

勝間和代 彼のインプット力がなくなったんじゃなくて、他人との格差が縮んだんですよ、どちらかというと。(ネットの普及によって)彼の圧倒的な情報収集力の優位性が薄れている。

小飼 ああ、そうかもしれないな。立花隆でなければアクセスできないような情報にド素人がアクセスできるようになったと。

同感。学者や分析家、情報屋の仕事は少しずつだけど衰退していると思う